くにたちの自然と環境/多摩川と昆虫
場所 多摩川/国立操車場
感想 生憎の雨で、観察を抜きに多摩川土手で多摩川の変遷に伴う昆虫たちの種類の変化のお話でした。一番大きな影響を及ぼした人間の仕業は小河内ダムで、川の氾濫が激減したことによる自然かく乱がなくなり、河原が草地へとかわり、一部林にもなっている。カワラノギクに代表される、ごつごつとした河原に適応した動植物が激減という事のようです。晴れていればコバネイナゴぐらいは見れたはずという事でした。人為的な川原復元は羽村堰で10年ほど前から実施され手が加えられている。多摩川水系で比較的川原の状態が保たれているのは秋川だという事。コマツナギを食草とするミヤマシジミは各地で絶滅のようですが、川原のこのような変化が何か作用しているのでしょうか。雨の中風も冷たく、変温動物の昆虫たちは一切目にすることなく、国立郷土文化館での学習となりました。ここで講師の方の近々の活動報告を聞かせて頂き、多くの興味あるお話がありました。タイトルは「久保川イーハトーブ自然再生事業の概要」です。環境省が進めた「自然再生推進法」(平成15年)のもとで21番目に取り上げられた区域のようです。この法は国や自治体からの補助金を受けず民間が主体となって行う事を助ける法という事で、ここは宗教法人知勝院が核となっている。樹木葬を展開し、住職が環境に対する高い意識で成り立っているように話は伺った。
自然再生推進法: 国や地方公共団体の計画によるのではなく、地域の多様な主体の発意により、国や地方公共団体も参画して自然を取り戻すための事業が始まる・・・・・今までにない全く新しい発想の法律です。
久保川イーハトーブ自然再生全体構想の概要
久保川イーハトーブ自然再生事業実施計画の概要
久保川イーハトーブ自然再生全体構想
自然再生推進法に基づく自然再生協議会の設置状況(全国)21か所
中外日報 ~日本初樹木葬墓地 開創10周年の集い開く~
日本初の樹木葬墓地がある岩手県一関市の知勝院で十八日、樹木葬開創十周年の集いが開かれた。年一度の樹木葬メモリアルとしては八回目。東京、仙台など遠隔地から遺族ら約二百人が参列し、仏教の読経、キリスト教牧師による聖書朗読、地元神社宮司による神葬祝詞の後、参会者によって献華焼香が行なわれた。
「樹木葬」は臨済宗妙心寺派祥雲寺の千坂●峰住職が平成十一年に初めて行なった埋葬(法律上は「埋蔵」)方法。近年注目されている里山の生態系を再生させ、新たな里山文化を発信するという理念を基礎に置いている。
樹木葬墓地は一関市の中心から車で約二十五分の山中にあり、面積は約二万七千平方メートル。ここに祥雲寺の子院が置かれてログハウス風本堂、寺務所、会館などが立ち並ぶ。平成十八年に臨済系単立知勝院として宗教法人格の登記を行なった。
樹木葬墓地は山の傾斜面の林にある。農家が行なわなくなった間伐作業を知勝院が行ない、間伐材を利用して参拝道路が整備され、それに沿って地元の生態系に合った花木を墓標とする樹木葬墓が散在している。すでに埋葬されているのは宗教・宗派を超えて約七百五十体、生前契約者を加えると千五百件になるという。
この日の式典は樹木葬墓地が宗教・宗派にかかわりなく受け入れているため、仏教・神道・キリスト教のそれぞれの方式を取り入れ、日本基督教団一関教会の宮部望牧師が聖書の言葉を朗読、配志和神社の岩山芳憲宮司が神葬祝詞を奉読、最後に千坂住職の導師で諷経が行なわれた。また、祥雲寺コーラス部の合唱や献笛などもあり、会場を一関市内のホテルに移して祝賀会も開かれた。
仙台の聖和学園短期大学の元教授でNPO北上川流域連携交流会会長も務める千坂住職は新しい里山文化の発信を提唱しており、樹木葬墓地がある久保川流域に研修林などの施設を運営。さらに二十五万平方メートルの山林を確保して里山の再生活動を進めているという。そのため、個人として「樹木So(そう)の里研究所」を立ち上げてセイタカアワダチソウの除去などの活動を展開。宮沢賢治の童話にちなんで「久保川イーハトーブ世界」として地域活性化にも結び付けたい、と千坂住職は語っている。